けっして3倍でも高速でも願いが叶わない タイ ワット・サマーンのピンクガネーシャについて


近年、タイ観光で人気のピンク寝ガネーシャ。チャチュンサオ県にあるワット・サマーンラタナラームというお寺に安置されています。

私も2016年9月30日、そして2016年11月24日に参拝しました。その際、気になったのはWeb上で流れるワット・サマンのガネーシャは3倍速で願いを叶えるという噂。もしくは高速で願いが叶うというもの。

間違いです。
そんなに速く叶いません!

様々な記事を見たところ、その理由がわかりません。ガネーシャはヒンドゥー教の神様。タイではヒンデゥー教の神様も篤く崇拝しています。障害を取り去り、富をもたらすガネーシャがなぜ、このお寺でだけ「3倍」とか「高速」で願いを叶えちゃうか知りたいですよね?

そこで2016年11月に再訪する際、タイ在住のコーディネーターさんにお願いしてリサーチして頂きました。まずWebを検索したところ、そんな文言はひと言も見当たらないそうです。そこで私もタイ語の記事を幾つか翻訳して読んでみましたが案の定、見つかりませんでした。

ならばとお寺に直接問い合わせて頂きましたが、そういった事実はなく、ご住職もまったくご存じなかったそうです。

そこで日本人が書いた関連ブログを遡って検証してみたところ、どうやら2013年に記事が発端かと考えます。
→ 「3倍のスピードで夢をかなえる象」チャチュンサオのピンクのガネーシャ

文中、「聞く気満々のネズミ。 「3倍のスピードで叶えてください」っと…」という記述があり、私が調べた昨年の時点で、その記事が「3倍説」の一番古いものでした。2016年にこのブログを見た際には「3倍」おしではなかったと記憶します。

私の推測ではそこから「3倍」が飛躍して「高速」になり、いずれにせよ全速力で願いを叶えてくれるらしいなどとコピペされ、伝言ゲームのように日本に広まっています。なるほど根も葉もないう噂はこうして作られる訳ですね。

以来、人づてにお話をしたり、壊れちゃった前ブログ(maczu:Cafe 泉美咲月の開運は一日にして成らず http://maczucafe.com)にも書いてきましたが、残念ながらログを失い、この記事の配信力も低くて広まりません(^-^; 私も深く書くことなく、今日まできてしまったので改めて執筆することにしました。

同様の内容でバンコクナビタイ国政府観光庁のサイトで掲載しています。

バンコクナビ→ ワット サマーンラタナラーム 3倍のスピードで願いが叶う? バンコクの隣県チャチエンサオにある噂のパワースポット(2017 02 21掲載)

タイ国政府観光局→ 高速で願いを叶える 幸福のピンク・ガネーシャ
→ ワット・サマーン・ラッタナーラーム (ピンクガネーシャ)

街中に鎮座する巨大なピンクのガネーシャはインパクト大!高速で願いを叶えてくれると評判のお寺です。願いを叶えてもらうには周りにいるねずみの耳に願い事を囁きます。この時に反対の耳をふさいで願い事がもれないようにするのがポイントなのだとか」

<矛盾する箇所>
街中→ガネーシャは境内にあります。
「ワット・サマーン・ラッタナーラーム (ピンクガネーシャ)」には、「高速で願いを叶えてくれると評判のお寺です」と説明されていますが「高速で願いを叶える 幸福のピンク・ガネーシャ」には、文字通りピンク・ガネーシャが願いを高速で叶えると銘打っています。

※追記1 タイ国政府観光庁に問い合わせたところ、「お寺」は願いが速く叶うと評判だというご返答を頂きました。総じて速く願いを叶えてくれるのはピンクガネーシャではなく「お寺」とのことです。出典をお尋ねしましたがタイのWeb上にも該当する記事はなく証言者は一切ないそうです。また「高速」というのは願い事に比喩する日本語ではないため、この場合不適切な使い方だと思われます(回答2018年10月 追記2018年12月2日)
※追記2 バンコクナビにも2018年10月に出典、根拠をお尋ねするメールを差し上げましたが2018年12月2日現在までご返答がありません。

とはいえ、このようにどこかで間違ったまま伝えられていいものでしょうか? それを正さなくてはいけない機関、メディアがこれではこの先、どうなっていくのでしょうか? もし、私や私の信頼するコーディネーターのリサーチが間違っていて「3倍」「高速」の根拠をご存じの方がいたらどうぞ、お知らせください。

て、このピンクガネーシャは2011年にプミポン・アドゥンヤデート前国王の83歳の誕生日を記念して作られました。ちょうど12年で1回と数える仏教慶事の7回目にも当たるそうです。ピンク色は前国王の和を保つ色。寝ている意味は、健康、やすらぎ、豊穣、安寧、を保ち、苦しみや後悔を避け、すべての幸せをガネーシャ神が表してくれるように願った形だそうです。私は以前からこの建立理由を掲載していますが、残念ながらどなたにも引用されていません。

<結果>
ワット・サマーンラタナラームは願い事が速く叶うお寺として知られていると現地で証言している人がいるらしい。しかしタイのWebサイトにも、その証言する人もおらず一切出典はない。ワット・サマーンラタナラームのありがたいピンクガネーシャはご利益はあるけど「3倍」「高速」で願い事は叶わない

とはいえ、まるでアミューズメントパークのように賑やかに神さまが揃ったこのお寺、大好きです。ピンクのガネーシャを拝む度に胸が高鳴り、幸せを感じます。ぜひ、タイに行く際は皆さまに足を運んで頂きたいお寺です。タイの方々も熱心に参拝され、崇めていて土日は大変な人出です。

私はいつも客観的に考えます。もし、これが日本の寺社で、人々が篤く信仰している神様だったらと。大切にしているものは同じです。国内外問わず、そうした想いは一緒であってほしいと考えます。

そして開運は一日にして成らず。誰が言ったかわからない「速く願いが叶うから、ピンクガネーシャ参拝に行く」「ワタシだけ願いが叶えばいい」などと思っている方はいないと信じます。なにより、どういう心持ちで、どんな神仏を敬うか、そして何を願うのか、それが定まっていない限りは、速くも遅くも願いは叶わないうように思います。

またちょっと怖いなと思うのはタイ人の気質。「なんだか、日本でそう言われているみたいだから、そうしておく?」などの流れで事実が変換されることです(あるある)。現地のみなさんがこのピンクガネーシャを崇拝する背景には病を押して国民を支えた亡きラーマ9世、プミポン・アドゥンヤデート前国王への愛が溢れているのを気にとめてください。一方で、私たちの国の天皇陛下の健康を祈り、奉納された神像を他国の人が根拠なく「願いが三倍速で叶うから行きましょう」「高速で叶うんだって」と詰めかけたらどう思いますか? 胸に手を当てて考えてみてください。

最後にタイを愛する者のひとりとして誤った情報がこれ以上伝わらないことを祈って……。

ワット サマーンラタナラーム Wat Samanrattanaram
住所:Thanon O Bo To Chachoengsao 2012, Kon Kaeo, Amphoe Mueang Chachoengsao, Chang Wat Chachoengsao 24000
電話:+66 81 983 0400



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