まずは言い訳
1月のマレーシア取材目指して年末から馬車馬のように書きまくり、押し出されるように2019年に。そして、マレーシアへ。年が明けてからは昨年よりも、もっと速く時が過ぎていくように感じています(きっとこれが加齢のひとつ)。
体力の限界も感じた年の始まり……。帰国後、現地で引いた風邪が悪化し3日寝込みました。風邪をちゃんと引いたのは(いつも未遂で完治させてます)2016年12月のスペイン取材以来 おかげでまた様々なことが押しました
そんな訳でインスタグラムとFacebookは更新してましたがブログでは梨の礫という訳
エアアジアX D7 523の翼に乗り、午前6時過ぎにはクアラルンプールに到着。初めまして
さてマレー半島西海岸南部に位置する古都、マラッカ。14世紀頃に成立したとされるマレーシア初のマラッカ王朝の栄えた場所です。初代国王はスマトラからやってきたパラメスワラ王子、妻は明朝から嫁いできた皇女リー・ポー。のちにパラメスワラ王は地盤を固めるべくイスラム教を受け入れ、東西中継港として交易を発展させます。そしてここは2008年に世界遺産に認定された港町です。
この歴史はマラッカ、そして現在のマレーシア全体に個性的なミックスカルチャーをもたらします。肌の色、骨格、言語、宗教、料理もバラエティーに富み、歩くほどに風景が変わり、想像した以上に面白い場所でした。
街を知るべく取材&滞在したカサ・デル・リオ・マラッカ(CASA DEL RIO, MELAKA)のみなさんとアクティビティのひとつ、ヘリテージ・ツアーに出かけました。このツアーを申し込むとホテルの売店で売っているオリジナルポロシャツを着るルールがあるようで、前日プレゼントして頂きました。クアラルンプールで予定していた撮影に合わせ珍しくジーンズを持っていったのが幸いしました。久しぶりのポロシャツ&ジーンズ姿 しかも、お揃いのオリジナルポロシャツを着てGO!
メンバーはホテルスタッフのPatricia、Osveen、Jay、Pravin。そしてカサ・デル・リオのセールスプロモーター『サンヨーインターナショナル』の代表で今回のアシストをしてくださった土橋さん。土橋さんには2012年のタイ取材の時からお世話になっています。
ツアーの案内人は「エディおじさん」と皆に親しまれているマラッカガイドの達人。 地名の由来となった「マラッカの木」。ねむの木のように見えますが「マラッカケイン」といって藤(とう)の一種だそうです。樹木はステッキや傘の取っ手になるのだとか。
カサ・デル・リオに植えられたマラッカの木
パラメスワラ王子がこの地にやってきて木の下で休息を取りつつ、住民に地名を尋ねたところ、木の名前を聞かれたと勘違いした住民が「マラッカ」と答えたのだといいます。マカオもそうですがこうした勘違いによる命名ってなにげに多い?(笑)。
まずは「億万長者通り」へ。ここは中国からやってきて財を成した、まさに億万長者が住んだストリート。建物は一見、風水を凝らした中国様式のように見えますが、よく見ると一軒の門構えの中にオランダ、ポルトガル、イギリス様式が取り込まれている家も多く、マラッカならではの建築物が並びます。
ランチはエディおじさんの計らいで街中のマレーシア伝統の高床式のマレーハウスで。
玄関中央の可愛いチューリップ柄の階段は以前、JALのカレンダーで取り上げられたほどのフォトジェニック そして室内はまるで昭和を見るような設え。あらかじめ申し込んでおくと、こうしたマレーシアの生活様式を見学したり、1960年代の服装などを体験することができるように公開しているそうです。
そしてマレーシアの61%はイスラム教。イスラム教信者、ムスリムの住まいには様々な決まり事があるといいます。例えば「ハーレム」という言葉もイスラム教が出典。日本人の持つ“ハーレム”のイメージはひとりの男性が多くの女性を侍らせる場所を表す快楽的な言葉ですがそれは誤り。実は「奥さんの部屋」という意味で女性が過ごす個人的な空間です。
玄関の扉を開けるとすぐに男性の部屋兼応接間がある
家の中は夫や子ども、兄弟などごく身近な人以外は男子禁制。男性の来客者が出入りを許されるのは玄関すぐに設けられた応接室のみで家族のプライベートスペースやまして「ハーレム」に寄り付くことはないそうです。
それは大邸宅も一般家庭も同様。夫や近親者にのみ顔や身体を見せるべきでないという戒律により全身を布で覆っているのも男女隔離という習慣のためです。そして、これは男尊女卑ではありません。女性を「真珠」と考えるイスラム教では美しいものを隠して守るものと考えられ、また母系制で家族は構成されていて、財産の所有権、家庭内の物事をその家の母親が決めるということが一般的だと教えて貰いました。
さてさてお昼ご飯。茣蓙の上には水色の蠅帳やポットが並び、食事の用意されていました。
水色の無地のポットは右手を洗うムスリムスタイル。食事の際は右手をこれで洗い清め、素手でご飯を頂きます。ホークやスプーンの用意もあるので私は慣れたスタイルで頂きます。
なんといっても、みなで車座になっていただく、おかあさん手作りのマレーシア料理のおいしいこと! 佇まいも相まって感動的な時間でした。衣食住含めとても勉強になりました。
昨年から「今後勉強しておくべき宗教文化」のセレクトの中にイスラム教があって、幾つか本を揃えていたのですが、なかなか読む機会を作れぬまま……。でもこうして実践から入ったので、帰国後少しずつですが勉強しています。日本のモスクにも行ってみたいと思ってるの
街めぐりに加えてエディおじさんの粋な計らいでマラッカのローカル文化を体験できました。午後のお話に続く
カサ・デル・リオ マラッカ
【CASA DEL RIO, MELAKA】
住所:88, Jalan Kota Laksamana Melaka Malaysia
電話番号:+60 6 289 6888
公式URL:https://www.casadelrio-melaka.com
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