昨年、もっとも足を運んだホテルであり、度々取材をさせて頂いたコンラッド東京。ホテル内のレストランを制覇しましたが、これほど全店足並みそろって美食のホテルは少ないかと思います
そして、平成最後とか令和最初とか、私自身にこだわりはないのですが、あえて言うならば「平成最後に食べた、ホテルの”おいしいもの“」をご紹介します。



現在、モダンフレンチ『コラージュ』 ではシェフ・ドキュイジーヌ、松永晋太郎シェフが工夫とユーモア、なによりおいしさを散りばめたアミューズブーシェのコース『アコード』を提供中です。しかも月曜日~木曜日の1日3組限定。ひと口の様々なおつまみをお好みのアルコール、または2時間フリーフリート(すなわち飲み放題)のシャンパーニュ付きでいただけます。すなわち、とっても魅力的で危険
通常はお食事の前、食前酒などと共に頂くおつまみがコース? と驚くかもしれません。でも、食べるともっと驚愕(笑)。目にも楽しい、アート作品のようです。コースはImpression(インプレッション)、Portrait(ポートレート)、Embodiment(エン ボディメント)の三部構成。さらにリゾットでお腹を満たし、トローリー(ワゴン)のチーズをお好みで、〆はチョコレートと盛りだくさん。
アコード
提供:28階 『コラージュ』
提供時間:17:30~21:00
料金(税・サービス料別):1名 15,000円(コースのみ)/1名 25,000円(シャンパーニュフリーフロー付 / 2時間制)
※銘柄は季節により変更
備考:月曜日~木曜日の1日3組限定
予約・問い合わせ:03 6388 8745 (レストラン予約直通)
そもそも『アコード(Accord)』とは調和、ペアリング、和音という意味。アミューズブーシェとアルコールが奏でる”アコード”とは? まずは百聞は一見に如かず。そのスタイルを写真でお見せしますね。写真はすべて2人前です
Impressionの4品からスタート。『トマト!?』と『フォアグラとカカオのシガー』。
まずは「えっ? トマト」「シガー?」と目を疑う品々が登場。『トマト!?』はモッツァレラチーズとトマトムースの生ハム包み。ゼリーでコーティングされたツヤ感、サブレで作った緑の葉っぱもお見事、当然ひと口で食べられます。ロリポップ・キャンディーのようにも見えて遊び心がいっぱいです。一方、大人の夕暮れが始まるかのように小箱で登場する『フォアグラとカカオのシガー』も勿論食べられます。フォアグラのムースをカカオで巻いた上、カカオ・スクランブルを纏わせ切り口もリアルに仕上げています。
ガラスの器でサービスされる『ウズラの卵とキントア豚のテリーヌ』『ボタン海老のタルタルとクリスタルキャビア』またユニーク。
バスク地方の特産豚、キントア豚のテリーヌの上にはトロリ加減が絶妙のウズラの卵。私は半熟が苦手なので奥のよく焼き(笑)。『ボタン海老のタルタルとクリスタルキャビア』はシャキシャキのわさび菜で包んだ甘くねっとりとしたボタン海老、食感にさらに変化を加える筍、そしてキャビアの塩気が最高 6つぐらい食べたい(笑)。
最初から「なになに
」「おいしー
」と好奇心と感激が交互にやってくるプレゼンテーション。日常で、ちょっとしたサプライズを仕掛けたい時にも小粋ですね。会話も弾み、場も盛り上がります。
掴みはOK、次はPortrait(ポートレート)。さっと湯がいた春キャベツを春キャベツのピューレで和えた『春キャベツのコールスロー』『桜海老ブルーチーズのマドレーヌ』『グリーンピースと白魚のタルト』『黒毛和牛のタルタルと雲丹』。
若葉の季節に重なるグリーンとフレッシュな香り、そして食材。
それにしてもシャンパーニュが進む。お料理に合わせてソムリエに選んでもらいましたが、ボランジェ、テタンジェ、ペリエ ジュエ他、名門メゾンがそろい踏み。ヴィンテージやロゼも取り揃えているので新たな好みのシャンパーニュとの出逢いの場にもなります。
コースもすでに終盤、Embodiment(エン ボディメント)。この辺りには、ほどよく酔って、愉快になってました(笑)。シェフに感想を尋ねられても言葉が出てこないという不甲斐なさ
『ブーダンノワールとリンゴンベリーの最中』『ちりめんじゃこと梅干しのチュイル』『明日葉のフリット』『サーモンのホットドックとイクラ』。
最後まで独創的で、ラストスパートとばかりにアート的。松永シェフの「描く力」が一気に出そろうのがEmbodimentという章です。
メニューを見た時から目が釘付けの和とフレンチのコラボ、『ブーダンノワールとリンゴンベリーの最中』。フランスを代表する豚の血や肉で作られたブーダンノワールにコケモモのジャム、さらにいぶりがっこを最中の皮でサンド、Conradの焼き印入りと、ほんとに小さな一品なのに、こだわりが凝縮。味も上品で日本人からすると少々ワイルドな食材、ブーダンノワールの存在感は控えめで旨味だけど詰めたかのよう。『ちりめんじゃこと梅干しのチュイル』。チュイルとはフランス語でタイルや瓦のことですが、私には登竜門の語源になった鯉の滝登りを描いた柱のように見え(じゃこが鯉・笑)、吉祥モチーフのように見えました。
更にサフランのマヨネーズ、スモークしたパプリカのケチャップで彩られた『明日葉のフリット』、カラーリングにもセンスが光ります。『サーモンのホットドックとイクラ』は竹炭入りのコロンとしたフォルム、宝石のように光るイクラ 美しい。
ファースト・インプレッションは料理には欠かせない演出要素。食べるのが惜しいような気がするクリエイティブさでありつつ、見た目だけではありません。口にすると「もっと食べたい」という欲求が波のようにやってくる、とにかく楽しいコースでした
<メニュー>
トマト!?/フォアグラとカカオのシガー/ウズラの卵とキントア豚のテリーヌ/ボタン海老のタルタルとクリスタルキャビア/春キャベツのコールスローと桜海老ブルーチーズのマドレーヌ/グリーンピースと白魚のタルト/黒毛和牛のタルタルと雲丹/ブーダンノワールとリンゴンベリーの最中/ちりめんじゃこと梅干しのチュイル/明日葉のフリットサーモンのホットドックとイクラ/本日のリゾット/お好みのチーズをトローリーより/チョコレート
でも、まだ終わらない(笑)。お腹を満たしてくれる『本日のリゾット』はホタルイカ。春をしみじみ感じさせてくれます。
そして、チーズ好きのテンションをマックスに上げるトローリー
この日のチーズもご紹介。
ハードタイプ:コンテ 熟成24カ月/コンテ 熟成30カ月
ウォッシュタイプ:タレッジョ/エポワス/ブルーチーズ/二世古 空【ku:】
白カビタイプ:クールドヌーシャテル
ヤギのチーズ:セルシュールシェール/クロタンドシャービニョル/シェフのオリジナル(ヤギのチーズ)/サントモールブランシュ
お好みでドライフルーツやナッツ、ハチミツなどを添えて。
チーズが沢山並ぶと贅沢で、たまらなく幸せなんです。
そして、3種のチョコレート。スタートばかりでなく、最後のゴールまで素晴らしかった
まずは何も考えず、ひとつ口に。「あら、甘じょっぱいお醤油??」。そうなんです、『醤油x黒砂糖』『柑橘x黒七味』『ヘーゼルナッツx味噌』と和の調味料を加えた渋さと妙が際立ち、最後までスタイルを壊しません。おかげで飲み続けることになります(笑)。バラエティ豊かなこのコース。スイーツは苦手、お茶じゃなくて一杯飲みながら、麗しい食事の時間を持ちたいなどと思われる、左党に全力でおススメです。
5月31日に創業100年を迎えるヒルトン。現在各ヒルトングループではお得な記念メニューが発売中で、コンラッド東京もこーさらに魅力的でお得なメニューが登場とか。まずは『アコード』で令和最初の大人の夜をお楽しみください。
■コンラッド東京
住所:東京都港区東新橋1-9-1
電話番号:03 6388 8000(代表)
アクセス:都営大江戸線、ゆりかもめ線 汐留駅 徒歩1分JR
都営浅草線、東京メトロ銀座線 新橋駅 徒歩7分
コンラッド東京 公式URL:https://www.conradtokyo.co.jp/
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