2019年に試泊・取材したホテル……。「えっ、いま」という相変わらずの不甲斐なさをお許しください
幸運なことに今や日本でもっとも強靭なメディアであるエムスリーで旅のガイドを昨年からさせていただいています。おかげでホテル取材の幅も、視点も広がりました。医療ITなので、知らない方の方が多かったりしますが 日本の医師90%が会員登録するポータルサイトで世界的な評価を受け、2019年の日本のインターネット業界をNo.1で走り切った企業体力。そして、今や弱体化した出版界には、まねできない発想と実行力を持つ素晴らしい企業です。
そのため、昨年は「日々、生と死、病と立ち向かっておられる、医師の皆様のお役にたてる旅の提案とはなにか?」という自問自答しながら旅を続け、改めて「伝える」意義と目的を考えるきっかけになり、わずかながら血肉にすることができました。
まずは国内編といっても東京⇔京都というピンポイント(笑)。そして2020年のオリンピックに向け、首都圏では次々にホテルがオープン。その分、ご新規ホテル取材が増えました。
3月『THE GATE HOTEL 東京 by HULIC』
2018年12月14日開業の『THE GATE HOTEL 東京 by HULIC』。先に視察した際に見たお部屋タイプの中でも数寄屋橋交差点を見渡せる『Luxe(リュクス)』は別格でした。試泊してより、そのドラマティックな風景に感動
レストラン&バー『Anchor Tokyo』での朝食はビュッフェといっても品数は少ないものの、目の前でジュースを絞ってくれるほか、端々に工夫があります。
以下でも簡単にご紹介しています。
5月『MOGANA』
2018年11月開業、美しい京都のホテル『MOGANA(モガナ)』。6タイプ23室と小さいながらラグジュアリーな隠れ家です。
『MOGANA』という名は期待の意味を持つ「~であったらいいな」「~でありたいな」という期待や願望を意味する古語の終助詞から。「この旅が人生を豊かにし、MOGANAとの出会いにおいて日常を愉しむきっかけになって欲しい」というゲストへの願い込めたネーミングです。
3室あるアイコニックな『MOGANA ROOM』は、クチナシの木を這わせた坪庭が見える造り。私が泊まった『MOGANA Garden』の他、『MOGANA White』、『MOGANA Blac』と白と黒をテーマにしたお部屋があります。伝統と最新を組み合わせた山口隆さんによる建築デザインは日常から容易く切りはなしてくれ、とても落ち着きます。
レストランはないものの、お部屋でいただく朝ごはんの主役、『FUKIYOSE(ふきよせ)』の美しさ、おいしさは目を見張るものがあります。そしてどれひとつとっても、「このために泊まりたい!」と思える設え、おもてなし、体験が詰まったホテルです。
実は京都は数年前まで東京に比べてラグジュアリーホテルも少なく、観光する楽しさばかりが先立っているように感じていました。でも、このホテル乱立ブームで「いまの京都らしい」ホテルが増えたのが嬉しかったです。
5月『ENSO ANGO』
2018年10月にオープンした『ENSO ANGO(エンソ アンゴ)』。ホテル名の「ENSO」は「円相」と書く禅の言葉で真理と向き合うための象徴。「ANGO」は仏教用語「安居」で行為、機会、場でもあり、心の発見を意図した言葉。5つの施設からなる分散型ホテルであり、それらをまとめてひとつのホテルになる考え方です。
京都で初めてSLH(スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド)に加盟を許された『麩屋町通 II』、ケラマツツジが象徴的な『富小路通 Ⅱ』と各々個性的でこだわりに溢れたホテルです。
Tatami Salonで行われる京都建仁寺塔頭両足院の伊藤東凌副住職による坐禅が素晴らしく、夏にもお訪ねしました。
次は5月中旬に取材したコンラッド東京です。
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