器と作家との出逢いを求め、益子へと行ってきました。楽しかった!
いつでも行ける距離にある地元って無関心になりがちですよね。私も栃木より京都の方が知ってると思う(笑)。
引っ越して思うのは、
ふるさとは遠きにありて思ふもの。
まさしく。
旅人気分で久しぶりの益子を訪ねたところ、とても新鮮でした。
滞在時間、概ね6時間。巡ったのは器店、骨董店、そしてカフェ、それも3軒(笑)。それぞれに印象的でしたが、最後に立ち寄った『茶室 峯』も印象的でした。
気づけば、自分のために写真を撮ることが極端に減りました。「仕事」「仕事」で押し続け、気が付けばよくないルーティンになっていました。お仕事に恵まれていることは有難いことなのに、こなすべき、お代をいただく行為だけで精一杯……。
某器屋さんの看板猫。商品の合間でのんびりお昼寝
仕事とどう違うの?と思われるかもしれませんね。プライベートには、義務がない。心が動いた瞬間にシャッターが押せる。心を起こすエネルギーが、撮る楽しさを思い出させてくれます。
ここ数年、良いこと悪しきこと、様々な変化が起きました。その都度、自分と向き合えば向き合うほど、心に中に落ち葉にように言葉が降り積もって出口を塞ぎ、時に息を吸うことすら奪われる気がしていました。
しかし、今確実に感じているのは、次のフェーズへと確実に進むための自問自答を繰り返しているということ。落ち葉を集め、掃き清め、自分の手で扉を開けば、光が真っ直ぐに差し込んでくる嬉しい予感があります。
さて、『茶室 峯』は、紅茶と古道具とアートの店。好きなものが詰まってて素敵。実に心を起こせるカフェ。
白と木目のシンプルで落ちついたインテリアながら、個性的なアートや小物が散りばめられていて心地が良いです。
古い時代のデットストックの食器、彫刻家・沢田英男さんの仏像、ずらりと並んだ紅茶やハーブティの缶に焼き菓子のショーケース。窓から差し込む自然光にすべてがキラキラして見えます。
私は仏像や神像が好きですが、沢田さんの作品は、アジアの国のどこかで発掘されて美術館に飾られた、小さな像などと似た空気と存在感があります。アユタヤの博物館に行った日のことを思い出しました。
奥のギャラリースペースでは、日本画家・林克彦さんのクロッキー展。普段は金箔や胡粉、ボールペンを使った作風で作品作りをするそうですが、このところクロッキーにも熱心に取り組まれ、巡回展をされていたそうです。偶然でしたが、技法についても伺え、最終日に拝見できてよかった。
さて、このカフェのオーナーは東京在住の方。そして、現地でお店を切り盛りされているのは陶芸家・北條潤さんの奥様。実は、私が一軒目の器屋さんで気になって手に取った陶器の作り手のおひとりでした!嬉しいご縁も頂戴しました。
カフェの主役となるのは、ウィーン生まれのデンメアティーハウス。台風が過ぎたせいもあり、ちょっと頭痛がするので、オレンジジンジャーにしました。そして、空間に映える焼きプリンも!
美しいレトロなフォルムとカッティングのグラス。ホイップしたての生クリーム、カラメルがしみ込んだ、固めのベイクドプリンが好み。総じて100点のプリン!
閉店が近かったこともあり、とても静かで居心地がよく、良い空気が流れる空間で、心がやわらかくなった気がしました。人は人によって、人が生み出す全てのものに心を解される。
茶室 峯
住所:栃木県芳賀郡益子町益子3435-1 陶芸村
営業日:土/日/月
営業時間:11:30~17:00 (ティールーム L.O. 16:00)
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