タイの東北部、北イサーンにあるウドーンターニー。初めて訪れた街はバンコクから北北東約560kmに位置します。
プーケットやサムイ島といった世界的なリゾート地とは違って知名度も低い農村地。観光名所も少なく、日本人の渡航もごくわずか。しかし12月から2月上旬に咲く、タレー・ブア・デーンの紅い蓮(睡蓮)群れは、まさに宝石に匹敵する財産と言え、年々その絶景を目指す人も増えています。
ウドーンターニー観光を代表するのは1992年に世界遺産に登録されたバーンチエン遺跡。紀元前3600年から紀元後3世紀にかけての集落跡と検証されています。どれくらい昔かというと縄文時代より前のこと。
場所は市街の東へ約50km。ワット・ポー・シーナイでは発掘された状態を保存した遺構を間近で見学することができます。
ミステリアスな幾何学模様が特徴の土器。
発掘されちゃった人。
この地では古くから土器が出土されていて、住民たちがとくに気にも留めず日用品として使っていたのだとか。しかし、1960年、地元のプラチャーチエンチュート学校の教師たちがこれらは考古学的に価値ある遺産ではないかと考えるようになり、校内に博物館を設立し保存にあたったといいます。この動きに相似てタイ文部省の発掘が始まります。わずか56年前のことです。
ワット・ポー・シーナイから20分ほどの国立博物館(National Museum of Ban Chiang)では遺跡の発掘や研究は再現した様子や出土した陶器や銅器、人や動物の骨や生活用品を展示しています。周りは公園になっていて清々しく見晴らしのよい建物です。博物館というと堅苦しい重厚な建物を想像してしまいますが、暑い国のせいか、こざっぱりとしてます。
実はわたし、こうみえて(歴史、宗教文化オタク)遺跡などには、さほど興味があまりないヒトなんですけど(笑)。
実際に行ってみたことろ、感慨深く、また見ごたえがありました。
とくに関心したのは土器などに文様を刻むハンコのような道具。
コロコロ転がすと文様が付きます。
また色味も独特で鮮やか。
大規模な発掘が進み、遺跡の重要性がクローズアップするとプーミポン・アドゥンヤデート前国王様もこの地を訪れ視察されたのだとか。その際、「この遺跡の物品はこの地にあるべきであり、バンコクの博物館で展示すべきではない」とおっしゃったため、この国立博物館が設立されました。あってしかるべきというお考えの他、農業以外の産業もなく貧しいこの地方には、遺産ともいえるこの遺跡と展示施設が必要だと思われたのかもしれません。
発展の遅れた土地柄であったため、出土されたものがしっかり温存されているのも特徴。バッファローなどの骨もありました。
館内には伝統工芸などを解説、展示するコーナー、当時の暮らし向きを再現するコーナーなどもあります。
紀元前3000~2000年頃の遺跡ではありますが、当時、すでに稲作が発展し、狩りが行われる一方、水牛、豚などの家畜が行われ、土器だけでなくガラスや、青銅器、鉄器などが使用され、優れた暮らし向きと文化レベルを持っていたのがわかりました。
博物館の前にはお土産物店や飲食店もあります。陶土文化はカム・オウ村で受け継がれ、当時の技法を再現、伝承し、名産品にもなっています。
割れ物は買わないように心がけてる体でありつつ、エアクッションとガムテを持参するわたし(笑)。優柔不断で用意周到
前から気になっていた土鍋……。トムヤムクン作りたい。
ではなく、なぜかタイ料理おままごとに使えそうなセットを購入。
ソムタム作るには小さいし、素焼きで耐久性のないすり鉢付き……。
がさばるのは土鍋と同じくらいなのに、買っちゃったのよー。100バーツ(約324円)也。現地のムードに押されて、使いようのないものを買ってしまう、観光マジック。
バンコクに着いてから「やっぱり土鍋買えばよかった」と後悔。ひとり分の可愛い土鍋ですが使わないよね。
こっちは買えて嬉しい竹細工のカオニャオ(もち米)の籠。中ぐらいの右側、180バーツ(約583円)。結構、日焼けしてて飴色になっており、むしろいい感じ。こういう失敗もまた良い旅の想い出。ウドーンターニー観光はまだまだ続きます。
National Museum of Ban Chiang
日本(成田)からウドーンターニー、タレー・ブア・デーンへの行き方、情報は以下よりどうぞ。
日本からの行き方、現地からのアクセスは↓
おいしいソムタムを食す。
観光スポットのご紹介↓
年に一度の絶景は12月下旬から2月上旬。紅い蓮の海を見にウドーンターニーへ!
協力:タイ・エアアジアX
この記事へのコメントはありません。