瑠璃光院常楽寺を訪ねて 4年目の秋、燃ゆる曼珠沙華


今年は曼珠沙華の見頃が大きく遅れましたね。先日、ご供養を兼ねて曼珠沙華の名所で知られる真言宗豊山派 瑠璃光山 常楽寺(栃木県)へ。4年前、恩人・川島なお美さんが旅立つ直前に見た真っ赤に燃える曼珠沙華は以来、心に焼き付き2年目のご命日から毎年曼珠沙華を見に行っています。

しかし、今年は花が間に合いませんでした。珍しいですね。長い梅雨や天候が不順で発芽が遅れたそうです。

山里の、のどかな風景の中に紅く浮かび上がる常楽寺。栃木県安蘇郡粕尾村出身で日本で初めて解剖をした医師であり、後鳥羽上皇の病気を治したことで知られる中野智玄が録事堂でお祀りされています。

小さなお寺とはいえ御手水舎の天井の雲龍画や観音様と寄進の品々が境内のあちらこちらにあり、その信仰の篤さとご霊験の高さが感じられます。平日でしたが花の写真を撮る人、御朱印をいただきにくる人がちらほら。



天上の花、曼珠沙華。法華経の一節には「蔓陀羅華、摩訶曼陀羅華、蔓殊沙華、摩訶蔓殊沙華、而散仏上」とあり、釈迦が説法をしていると赤と白の大小のこの花が頭上から降り注いだといいます。そして「この花を見る者はおのずから悪行離れ安楽を得る」と頂いた彼岸花御守に記されていました。

美しい花の群れの前に佇み、「一緒に見てくれているかな」と空を仰いだ途端に舞い降りる蝶🦋 やっぱり今日も来てくれました。

旅先でも、そう。「なお美さんに見せたかった」と思うシーンには必ず蝶が舞うのです。告別式の日、花を飛び交う蝶を見たオフィス・マイリの吉本美仁子ちゃんが「ほら、なお美さんが来たよ」と言ったあとから不思議と何度も何度も、こんなことが起こります。後日、旦那様の俊さんに「蝶になって戻ってくる」と書き残したことを、その年のクリスマスイブに放映されたテレビ番組で知りました。

例えば2016年1月、タイのウドーンターニーの紅い蓮の海。湖を紅く染める蓮の中に舞い降りた1匹の蝶。また、その翌年香港ランタオ島の天壇大仏の参拝後、振り返った瞬間、傍らに飛んできた蝶。


花のあるところとはいえ、想いと心の呼びかけでタイミングよくあらわれるから不思議です。

こうした出来事は故人を慕うあまりにおこる偶然かも知れません。しかし、そう紐づけることで慰められるもの。おかげで随分と悲しみが薄らぎ、なお美さんとの想い出は大切な御守として心の奥でやさしく輝くようになりました。

この日はそこから15分程離れた遊の郷 彼岸花群生地にも立ち寄りました。去年に9月24日は花も終わりかけだったのですが今年は見頃が半分ほど残っていました。

その日その日、去年、今年、来年と、その時々で違うからこそ、人生は飽きずに歩めるのかもしれません。次は、来年は、そうした願いや目指すものがあるから励まされる、生かされる。自然は水先案内人のひとつであるように思います。

なお美さん、また美しい風景の中で逢いましょう。

瑠璃光山 常楽寺
住所:栃木県鹿沼市下粕尾949
電話番号: 0289-83-0971



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