それは20代のわたし。初めて「香港に行きたい」と思ったのは森瑤子先生著「浅水湾(リパルスベイ)の月」という作品がきっかけでした。
それからゆうに四半世紀が過ぎ、やっと今日念願が叶いました。香港島・中環(セントラル)のホテル、ザ・ポッティンジャー香港に宿泊する際、バスタミナールに近い事もあり、当初よりこの日に出かけることに決めていました。残念ながら当日は朝から雨……。午前中は雷鳴もしてどんよりと重い一日の始まり。取材で赤柱(スタンレー)へも行くつもりだったので雨が小雨になった昼頃、ホテルを出ました。
昨年はまだ「呼ばれてない」そう感じていました。そんな想いを2017年10月に綴っています。
森先生は52歳で亡くなり、その年私は物書きを目指して離婚。月日は流れ今年、香港で52歳になりました。この年齢は私のとってのターニングポイントでもありました。もっと先にあったように感じてたのにとても速かった気がします。
そんな想いが詰まった土地の第一印象は「熱海みたい……」(笑)。あれ?
そうなのよね、映画「慕情」や森先生の作品のイメージですっかり勝手な世界観が広がっていました そして、確かに数十年の月日の中で浅水湾も姿や雰囲気を変えたといいます。当然といえばすべて当然。
またここは九匹の龍が山から九龍、香港島の龍脈を辿ってここまで水を飲みにくるパワースポットのひとつに数えられます。バス停を降りた目の前には「ザ・リパルスベイ」。ザ・ペニンシュラ香港を旗艦ホテルとする香港&上海ホテルズの前衛、香港ホテルズ社が所有していた旧リパルスベイ・ホテルを改装したこのレジデンスには風穴が開けられ、山からの気が海へを通されています。
写真も見てたけど、やっぱり生で見るとすごい! まず大きくて迫力がありますし、こう迫ってくる感じがします。つい見上げて「わー」と声がでました。
周囲を見渡すと個性的な建物が。様々な様式の三日月型のビーチを囲みます。独特な風景ですね。協調性があるようなないような(笑)。
パラパラと雨が降るので早々に散策を切り上げ、お腹が空いたのでレストランを探します。当初、「ザ・リパルスベイ」の「ザ・ベランダ・レストラン」でランチをするつもりでしたが……なんと定休日 ホテル感覚の認識でしたので当日の朝まで気づきませんでした 残念な気分のまま行ったせいか、疲れていたせいか(主に後者)妙にジャンクフードが食べたくなり、日本でも行ったことのないピザハットに入店(笑)。
どうしてもシーフードとパイナップルのピザが食べたかったの。7UPと共に日本円にして3500円ほどの高価なピザをひとりで食べました。勿論、食べきれるわけがなく具材だけ完食。やらやれ、大失敗でした。たまにあるある
気を取り直してビーチ沿いを辿ってもうひとつの目的地、天后廟へ。こちらは次回 その後、赤柱に花文字取材に参りました。
ようやく訪ねた浅水湾。今年の52歳でここに降り立ったのには必ず理由があるはず。そして新月あとの月のない時期でしたので、次は必ずこの空に輝く月を見に来ようと誓いました。
なお、Webの表記を見ると「レパルスベイ」が多いのですが「Repulse Bay」という英語読み、森先生の作品の「リパルスベイ」、そしてザ・ペニンシュラホテルズの表記に従って「リパルスベイ」と記しています。
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