フィリピンの避暑地、タガイタイにある『ナーチャー・ウェルネス・ビレッジ』で過ごすバカンス。ザワザワと揺れる椰子の木、イフガオ族の伝統家屋のある風景に囲まれていると、まるで昔のフィリピンにタイムトリップしてきたような気分にさせてくれます。
オーナーのキャシーさん(Ms.Cathy Turvill)はオープン後、タイやバリといったスパ先進国に後れを取っていたフィリピンを牽引するため、オーストラリアからスパ専門のコンサルティングを招いて施設を整え、メニュー作りやセラピスト養成に力を注ぎました。
そうした努力が実を結び、さらに国内におけるスパと伝統療法『ヒロット』の普及に繋がったのです。そう、いわばここは現代におけるフィリピン・スパの聖地。体調を整え癒しに徹する休日をスタートさせるに相応しい場所です。
フィリピンスパの聖地で得る癒し
まずは毎朝7時から朝露に濡れたガーデンで身体を動かしてみましょう。草木が眠りから覚める息吹を受けて心が解けていくようです。プログラムは太極拳発祥のTAI CHI、幸福感を感じられるLaughter and Dance Yogaなどに無料で参加できます。
自社農園のフレッシュで安心な野菜や果物、ハーブを使った食事やジュース、お茶を頂きつつ適度に身体を動かす。日に日に浄化され、元気になっていくのを感じられます。
木漏れ日の中でおこなうTAI CHI。静粛な気持ちにさせてくれる
宿泊パッケージタイプのホリスティックメニューを申し込まなくてもスパが受けられるのも『ナーチャー・ウェルネス・ビレッジ』の特徴。宿泊者以外のスパ利用も多く、予約は必要ですが観光の合間、日帰りでも訪れることができます。
ナーチャー式ヒロット 温めて癒す、ニライブ
そうした観光客に人気なのは屋外の豊かな自然の中で行われるフットスパ(Hele Foot Spa 60分PHP990)。風が吹き抜けるスパパビリオンで特製のデトックスクレイでパック。フィリピン式リフレクソロジー『ダグダガイ』で疲れを取り除いてくれます。
クレイパックの後は『ダグダガイ』と呼ばれる竹の棒で押していく
ツボ押しとはまた違い、リズミカルに足の構造に沿って刺激を与えているだけということですが、これがなかなか痛い。その痛みが冷えや筋肉の衰えを感じさせてくれます。
さて、待ちに待った伝統療法『ヒロット』を取り入れたシグネチャーメニュー『ニライブ』(Nilaib 90分 PHP1,800)を受ける時間です。多くのスパの『ヒロット』は温めたバナナの葉にココナッツオイルを塗り、マッサージを施すのがセオリー。ヒロットのエッセンスを現代のスパに取り入れた方法で本来の伝統療法ではありません。
一方、この『ニライブ』は進化系、ここでしか受けられない施術です。砂を入れた小袋、レモングラスとグアバの葉他をバナナの葉で包み、蒸籠で蒸した11個の特製のポーチを使用。これをハーバルボウルのように背中に押し当てていきます。うつぶせにベッドに横たわると、まずセラピストは血行の滞る、冷えた場所を探すため、ゆっくり、しっかりと身体に触れていきます。「冷」「温」のバランスを整える『ヒロット』には大切な触診です。
手で持つポーチと敷き詰めるポーチを使って全身を温めていく
熱すぎずぬるすぎず、ほど良い加減に蒸し上ったポーチ。熱が皮膚からじんわりと入り込み、筋肉へと染み入ると、ため息がもれます。嬉しいのは包み状にした7つの袋。仰向けになる際に背中や腰に敷いてくれるので心底温まります。ホットストーンとハーバルボウルの長所をヒロット式に取り入れたトリートメントといえます。
なにより感動したのは身体から立ち上がる採りたてのココナッツオイルの香り。酸化しにくといわれているココナッツオイルですが、搾りたては市販のものと比べようもありません。これほどフレッシュで、これほど甘い香りを嗅ぐのは初めてのこと。自然の中だからこそ体感できる贅沢な施術です。
痛いところに手が届く、やさしく献身的なマッサージはまさにマザータッチそのもの
その後、セラピストはゲストの体調や感情、動作を十指で感じつつマッサージを施します。それはまるで母のようなやさしさ、献身さ。聞けば『ナーチャー・ウェルネス・ビレッジ』のセラピストの採用条件は「母性」。若さでも技術でもなく「母親」であることを優先するのだいいます。
施術を終えて起き上がると、重たい荷物を下したかのように身体は軽く、夢心地。温まった血液が全身を駆け巡り、心身が蘇るような感覚を得ました。まさにフィリピン・スパ・リゾートの極めつけのメニュー。
ここではスタンダードなヒロット(Hilot Kagalingan 60分 PHP1,200)、ファイシャルマッサージ(Mutya Natural Facial 60分 PHP1,100)、フレッシュなココナッツを使ったボディポリッシュ(Mayumi Coconut Body Polish 60分 PHP1,700)、DMS(Digital Meridian Scan 30分PHP1,400)など30を超えるメニューが用意されています。ぜひ合わせてご体験ください。
次回はマニラに戻ってシティリゾート。ザ・ペニンシュラマニラで過ごすラグジュアリーなバカンスをご案内します。
ナーチャー・ウェルネス・ビレッジ Nurture Wellness Village
住所:Nurture Wellness Village Pulong Sagingan, Barangay Maitim II West Cavite, Tagaytay, Luzon 4120, Philippines
電話:+63 917 687 8873/+63 918 888 8772
問い合わせ・予約メールアドレス:info@nurture.com.ph
URL:http://www.nurturewellnessvillage.com
イフガオ・スパ・スイーツ PHP 7,900 (繁忙期 PHP 8,690)
デラックス・フォレスト・ビュー・ルーム PHP 7,900 (繁忙期 PHP 8,690)
PHP(フィリピンペソレート):2018年12月16日現在 PHP 1 =2.14円
協力:フィリピン政府観光省/ナーチャー・ウェルネス・ビレッジ/フィリピン航空/ 以上 順不同
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※本記事は2017年「CheRish」にて連載した記事を連載終了後に移行、改稿したものです。
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