※2024年1月30日、Instagramにて投稿した記事を転記
芦原妃名子先生のご訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
昨日の夕刻、ニュースを目にし、言葉もなく、悲しみにたえません。
また、原作やドラマに一切関係のない私がこうして発言をすること、しないことへの正解が未だ出ておりません。
しかしながら、これ以上、痛ましいことが起こることのないように、勇気を振り絞り、ここに明記させていただくことに致しました。
まず、私は執筆業を致しておりますが、ドラマ『セクシー田中さん』で作品を知り、励まされた、いちファンに過ぎません。ましてやテレビ制作関係者でも、芦原先生、相沢友子先生との面識もございません。
その私が、相沢先生のInstagramにコメントするに至ったことをご説明申し上げます。
私事ですが、心労過労が重なり不調を覚え2023年7月より、鬱の治療を受けております。
10月よりリモートワークに切り替え、心身の健康を取り戻すことに専念しておりました。その間、好きなベリーダンスに関したドラマが始まったと知り、視聴したところ、大変感銘を受けました。
同時期、海外出張の際に足を骨折し、こちらも治療中であったこともあり、すぐに決心をし、ベリーダンス教室の門を叩きました。
※現在は、骨折の後遺症のため休止中です。
レッスンを始めてみると「好きな音楽で踊ることは楽しい!」と感じることができましたし、塞ぎがちだった心と身体が解放される気持ちがして、とても嬉しかったです。
最終回後である12月下旬、本作の脚本家を務めた相沢先生のInstagramの投稿を拝見しました。ドラマが終盤になって流れが変わったように感じていたこともあり、素直にその投稿の感想を書きました。
その際、「尊厳」と明記したことは、多々ある制作事情の上で両先生のご事情を察して明記したものでした。書き手、作り手というのは、皆さま孤独なもので、それを察しての発言で、それ以上でもそれ以下でもありません。
お陰様で、やっと心と身体のバランスがとれ、この2月より仕事に戻るつもりであった矢先、2024年1月27日の朝のことでした。
私のInstagramに芦原先生のファンと思われる方からコメントが寄せられ、同時に芦原先生がXにて声明されたことを知りました。
そして、相沢先生の投稿にコメントした私や他の方々が攻撃されている事態を知りました。
まず、身も知らぬ方々のコメント内容に面喰いました。またXで炎上し、相沢先生がすでに閉じていられるコメント欄をスクショされたものが公開され、私や他の方々にまで攻撃が集まっていることに驚きました。
先に申しました通り、私は治療中の身です。すぐに日頃から使用してなかったXのアカウントを削除し、自分の心と命を守るために以降は見ておりません。
当初、私のInstagramには、幾つか返信をさせていただきましたが、見知らぬ方から職業や人格を否定するような言葉、その返信に揚げ足をとるような言葉が並んだことから、コメント欄を閉鎖致しました。
以降、第三者の私がコメントすることも場違いに感じましたので、心を平穏に保つことに専念し、いつも通りに過ごしておりました。とはいえ、周囲の心配に「元気です」と返しつつも、睡眠障害や、わずかなパニック症状が出ていることに自身で気づいております。
そのあれこれが土日のことであり、家族も恐怖を感じていることから、週明けに弁護士の先生や主治医に相談をしようとしていた矢先の訃報に大変悲しみ、驚いております。
そして、芦原先生の訃報を受けて、ファンと思われる方から「人殺し」「もう世に出てくるな」「詫びろ」という恫喝の言葉や、身に覚えのない「なぜ芦原先生を攻撃した」という内容のメッセージが多々届くことに慄き、寄せられる言葉に恐怖すら感じております。今や家族も身の危険を感じております。
さらに私の数行の発言がもとで多方面にご迷惑をおかけしているのかと思うと申し訳なく、心が軋むばかりです。
なにより、これ以上、悲しみ悩む方が増えて欲しくありません。そして、こうした悲しい出来事やニュースが傷ついた人の心をも巻き込んで、悲劇が二次三次に及ぶこともあって欲しくありません。どうぞ、ご理解をいただければ幸いです。
最後になりましたが、背中を押してくださった芦原先生と『セクシー田中さん』という作品に敬意と感謝と、心から哀悼の意を捧げ、私のお別れの言葉とさせていただきます。
2024年1月30日
泉美 咲月