この季節になるとふと求めたくなるお干菓子があります。
奈良の松屋本店の吉野懐古。吉野の本葛を使ったお干菓子です。初めて口にしたのは10年程前でしょうか。神楽坂の取材でした。支店が出ているんですね。
他にも銘菓葛湯 吉野拾遺も頂いたのですが本物の葛のおいしさ、滋味あふれる味に驚きました。葛湯と称して片栗粉を使ったものも多いですし、純真寒晒し吉野葛は初めて。さすがは古都、奈良のお菓子と感嘆したものです。
そしてこの吉野懐古、同じく純真寒晒し吉野葛に阿波の和三盆を加え、さらに吉野の美しい桜の風景を織り成しています。わっぱ風の菓子箱には二段に桜とその蕾が咲き誇っています。思い出す度にどなたかにひと足早い春を届けたくなります。お味は一般的な干菓子よりはずっと淡泊、甘さ控えめ。本葛のやさしい風味が口に広がります。
先日ご紹介した本家長門屋の和三盆糖・貝千年同様、3月から4月にふさわしいお菓子です。
ぜひぜひご賞味ください。
3月から4月へ。春がますます強くなる。
桜の開花もまもなく。この待つ、戀うる気分がとてもいいですね。
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