バンヤンツリー・バンコク バンヤンツリー・スパで極上体験


2016年11月、久しぶりのバンヤンツリー・バンコク滞在。ここは私にとってのバンヤンツリーとバンヤンツリー・スパの始まりの場所でもあります。ホテルの名称、バンヤンツリーとは菩提樹のことです。太い幹、大きく広げた枝、生い茂った葉は、昔、歩き疲れた旅人たちの安息の場でありました。ネーミングへの想い同様、グループにとってスパも同じ役割りを果たすのです。

タイ式スパの先駆者、バンヤンツリー・スパ

そもそもスパ (Spa)はベルギーの温泉で有名な都市の名前。温泉や水を使った治療、療養を意味するSpaの語源になりました。今日はたっぷりの内容でお送りするので、はりきって見出しを付けてご案内


icon-camera-retro バンヤンツリー・プーケットにて撮影 2017年3月

かつてホテルスパは無機質な個室で行う施術や美容だったといいます。しかし1994年、バンヤンツリー・プーケットが新たな提案を打ち出します。

タイ・プーケットという世界有数のビーチリゾート地を舞台に、オープンエアの空間でセラピーを発案。当時のホテルでは取り入れられていなかったタイハーブやフルーツ、野菜などのナチュラル素材をボディ&フェイスケアに使用。古式マッサージやハーバルボウルなどのタイ伝統療法、さらにアロマセラピー、フラワーセラピーなどを取り入れ、オリジナルのボディセラピー、トロピカル・ガーデンスパを企画したのです。


icon-camera-retro バンヤンツリー・プーケットにて撮影 2017年3月

当時、この斬新な提案は投資家たちを呆れさせるだけで受け入れられませんでした。それでもバンヤンツリーの創立者、ホー・クォンピングの熱意のもとに新事業がスタート。結果、欧米のゲストたちを魅了し、世界的なスパブームへと発展します。


icon-camera-retro バンヤンツリー・ランコー(ベトナム中部)にて撮影。バラの花びらを浮かべた天蓋付きのバスタブ。女子の永遠の憧れ

こうして発祥したトロピカル・ガーデンスパはタイのスパブームへと発展し、現在のスパを語るにおいて欠かせない存在がバンヤンツリー・スパなのです。

とても残念なのがスパブーム到来の折、日本ではエステと紹介されたため、本来のスパ療法どころか、いまだにタイ式スパの詳細、ニュアンスが伝わっていない傾向にあります。またエステ=女性専用という固定観念から日本男性はスパを敬遠しがち。もったいないですね、これほど素晴らしいヒーリングや旅のアクティビティを知らずに旅行をするなんて。旅の際は高級ホテルスパならでは演出とおもてなし、施術を堪能してください。

高水準の技術、おもてなしを提供するため独自のアカデミーを設立

私はバンコク以外ではベトナムのバンヤンツリー・ランコー、加えて姉妹ブランドのアンサナランコーのアンサナ・スパ、そしてバンヤンツリー・マカオで施術を受けてきました。※2017年には念願のバンヤンツリー・プーケットを取材。同時にバンヤンツリー・スパ・アカデミーの取材、のちに体験をさせて頂きました(2018年10月追記)



icon-camera-retro 以上2点 バンヤンツリー・プーケット バンヤンツリー・スパ・アカデミー

各プロパティによって趣き、自慢のシグネチャーメニューはそれぞれにありますが、どこにいってもクオリティの高い平均した技術、そしておもてなしを受けることができます。それもプーケット、ビンタン島、麗光にある3つのバンヤンツリー・スパ・アカデミーという独自のトレーニングスクールがあってこそ。斬新なアイデアと覚悟を持続させたのは技能に加え、なによりゲストを癒し、喜ばせることのできるアジアを中心とした5つ星リゾートグループならではの献身さだったのです。

バンヤンツリー・バンコクでリゾートスパを再現

さて、ではバンヤンツリー・スパ・バンコクをご案内させていただきます。フロアは21階。ここにはフィットネスクラブジュースバー、オリジナルスパアイテムやホテルグッズを販売するバンヤンツリー・ギャラリーも同じ階にあります。


スパにチェックイン時、まずは日替わりドリンクのおもてなし。

この日は火曜日、 Pink Romance。ライムと漢方で用いられる蘇芳のブレンドティです。その蘇芳は血のめぐりをよくし、冷えを改善する作用があると言われています。スパでは曜日ごとに7種のオリジナルドリンクが用意されています(2016年11月取材分/2017年1月執筆)

月曜日  Mellow yellow (菊&ライム)
火曜日  Pink Romance (蘇芳&ライム)
水曜日 Green Vigour (パンダン)
木曜日 Orange Passion (オレンジ&ジンジャー)
金曜日 Blue Bliss (蝶豆&レモングラス)
土曜日 Violet Spice (ジンジャー&蝶豆)
日曜日 Luscious Red (ローゼル)

金曜日の聞きなれない蝶豆、これはタイではスタンダードなマメ科の細長い朝顔のようなお花です。(※以降2017年追記)その後、この蝶豆/バタフライピーは日本にも上陸し青い色のハーブドリンクとして親しまれるようになりました

ここでカウンセリングを受け、担当のセラピストに誘われトリートメントルームへと通されます。ゲストを迎えてくれるのは神秘的なクリスタルバンブーの群れ。

各国のバンヤンツリースパでも竹のあしらいが必ずありますが、浄化を促すクリスタルバンブーを見られるのはここだけ。竹林を抜けると左へと曲がるとトリートメントルームの扉が見えます。

アジアの神秘と様式美を感じさせる空間作り。ヴィラタイプのスパとはまた違い、タワーホテルの中に隠れ家のような一角を作り出しています。心を静めてくれる光と影の道を歩み、扉を開けると2名施術が可能なゆったりとしたトリートメントルームにたどり着きます。




花々の香り、この日のアロマが波のように取り巻き、改めてタイにいるんだな、と実感する時間でもあります。

ご褒美はセラピストの手から授かる癒し

バスローブに着替え、貴重品は金庫へ。ヘア、ボディケアのアメニティも揃っています。宿泊者は当然手ぶらでスパ。スッピン、ラフな格好で行って部屋に戻ってお昼寝、贅沢な休日です。

施術の前にはフットバスがセオリー。


やさしく、旅人を労わるかの如く、足を花びらを浮かべた盥へと運んでくれます。


続けて緑茶やハチミツ、ソルトで作ったスクラブで軽くマッサージ。ぬるま湯の中でセラピストに触れられていると、ふんわりと心が開きます。その仕草は神聖な儀式のようにゆっくり、そして慈愛に満ちています。

アロマと同時に焚かれているのがオリジナルのお香。こちらも日替わりで提供されます。


■Banyan Tree Today’s Scent アロマオイルとお香のカレンダー

曜 日 アロマオイル お香
月曜日 レモングラス ローズ
火曜日 オレンジ ベルガモット
水曜日 ペパーミント チャンパカ
木曜日 シトロネラ ラベンダー
金曜日 ユーカリ サンダルウッド
土曜日 リツェアクベバ ナイトクリーン
日曜日 パイン アンバー

おススメメニューのひとつは、バリ式のマッサージをとり入れたバリニーズ。60分または90分のトリートメントでプラス30分のリフレッシュメント&リラクゼーションタイムがつきます。ご予約の際は着替えの時間なども含め余裕をもってスケジューリングをおススメします。タイならではの穏やかな時間と癒しを満喫するべく、慌ただしさはシャットアウトを心がけましょう。

バリニーズ Balinese
60分(3,500バーツ/税抜)または90分(4,700バーツ/税抜)のトリートメント
+30分のリフレッシュメント&リラクゼーションタイム
※すべてのスパ・セッション(ハンド、フット、ヘア・トリートメントを除く)には、施術前のフットバス、施術後にはハーブドリンク等を頂く30 分のリフレッシュメント&リラクゼーションタイムが含まれています。


トリートメントに使用する3種のオイルはフットバスの前、ソファでくつろぎながら選ぶことができます。

スタンダードなのがLove oil(イランイラン、ゼラニウム、ラベンダー、ブラックペッパー、リセッシュベースオイル)、Peace oil(ラベンダー、ゼラニウム、ブラックペッパー、リセッシュベースオイル)。敏感肌にはClarity(セサミ、ホホバオイル、ビタミンE)がおススメ。

温かいオイルがセラピストの掌から肌に零れる瞬間の至福。親指、手のひらを使ってしっかり揉み解される心地良さは言葉に言い表しにくいほどです。タイ人、ベトナム人、中国人ほか、アジア各国のマッサージを受けていると手の質感、力、指や手の甲の厚み、そして技術やリズム感など総合してタイ人が、とくに女性が優れているように感じています。


 icon-camera-retro ベッドの下に置かれたスパボウルに浮かべられた蓮やデンファレにもうっとり

メニューにはタイのハーバルボウル、フェイシャルやスクラブ、パックなど数々設けられています。さらに男性やカップル向け、300分の各種施術を組み合わせた上、ランチを盛り込んだバンヤンデーなど、スパだけで一日を使い切るメニューが盛りだくさん。これでは1日2日の滞在では足りません。

さて、夢心地の時間は清らかな澄んだ音を放つネパールの密教法具、ティンシャで終わりを告げます。

この音が聴きたいような、その瞬間がずっとこないで欲しいというような複雑な気分(笑)。でも、起き上がる頃には抱えていた痛みが薄れ、心地良さと安堵に満たされているはずです。

そうそう、部屋を出る前に感謝の気持ちを込めてセラピストにチップを渡しましょう。ホテルスパの場合、200~300バーツを目安にしていますが、授かった価値に準じてご自分の判断でよろしいかと。

最後はフルーツとお茶で喉を潤し、現実へと戻ります。

さて、次に至福を得るのはあなた。ぜひバンヤンツリー・バンコクで極上のスパ体験、なさってくださいね。

※当記事は2017年1月に執筆、2018年10月に訂正・加筆、写真を差し替えしております。

Banyan Tree Bangkok Banyan Tree Spa
バンヤンツリーバンコク バンヤンツリー・スパ
住所:21/100 South Sathon Road. Thai Wah Tower II, Bangkok 10120
Banyan Tree Bangkok 21階


アクセス:MRTルンピニ駅 2番出口
電話:+66 2 679 1052 または1054
予約・問い合わせメール:spa-bangkok@banyantree.com
公式URL:https://www.banyantree.com/en/thailand/bangkok



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