それは秋の出来事。9月下旬にまた詣でてしまいました、聖天宮。そして、大晦日に書いてます、記事を(笑)。そんなことも、泉美咲月あるある
とにかくこちらは清らかで色が溢れた聖域。大好き。初詣にも最適な聖地。台湾人の康國典大法師様が不治の病に倒れた際、道教の三清道祖様に祈願したところ、一命をとりとめる奇跡に恵まれ、そのお礼と多くの人々がご利益に授かれるようにと考え、縁あって日本に建てられたお宮です。
絨毯や壁画、屋根の飾り他、聖天宮には5千頭の龍がいるそうです。2回の参拝で合計1万頭 すごくいい
日本他、龍を神格化する国や神話もありますが、道教では神獣、神のお遣いなのだとか。とはいえ台湾の職人の手により作られ日本に運ばれ、15年かかって造られたお宮の龍たちは美しく、躍動感があり素晴らしい。このまずは迎えてくれるこの天門だけでもため息ものです。黄色の屋根や龍の飾りは神か皇帝の宮殿でしか使われません。
今年は旅先で龍のモチーフに沢山逢えたせいか数日前、この記事の構想を練っていたら、大空に金色の龍の雲がある夢をみました 締めくくりに過去3回の参拝で撮ったお気に入り写真と共に聖天宮をご紹介します 天気と季節でちょっと色合いが違っています。ご容赦ください。
天門をくぐると前殿。右に鐘の塔、左に鼓の塔があります。
前殿正門の南側には5つの門戸があり、それぞれに一対の神様が彫られています。中央の戸口を挟んで「鎮守宝殿三山門神」に2神。「如意四位正神」が4神。「四大天王」の4神で全部で10神。赤い柵のある3つの戸口は神様が通るためのもの。参拝者は東の龍亭から入り、西の虎亭から帰るのが決まり事です。
台湾の観音山で採掘された5mの観音石の一本柱から彫刻された双龍柱。絡み合った龍が彫られ下には鯉。黄河の険しい流れを上った鯉は龍になると言い伝えられた「登竜門」を描いています。人生の厳しい流れを泳ぎ切ってこそ、鯉から龍になれる……。そう思えば試練も乗り越えられ、一段と強くなっていける気がします。
神社の狛犬のようにお獅子もいるんですよ。陰陽に基づき配置され、オスは太陽が昇る陽側、雌は日が暮れる陰側に置かれています。
雄の獅子は働く役割りの象徴として帯にお金を持っています。
雌は子供を宿し、子供と共にいます。下を見てくださいね。
全てに道教に基づく意味があります。建物、趣きすべてが教えなんです。だからじっくりみないと勿体ない。3度行っても飽きない場所です。
前殿ではおみくじを引くことができます。
おみくじは台湾式。お作法も書かれているのでぜひお言葉を頂いてくださいね。
見上げると一万以上の部品を釘なしで組んだという美しい天井。
中庭の向こうにはご本殿。
まるで中国の時代劇のワンシーンの中にいるみたいな気分になります。
参拝はご本殿で行います。この九龍網もお見逃しなく。
一枚の岩から彫られた九つの頭を持つ龍、九龍網。9つの龍の数は最高位の神の威厳。9は永久の「久」にあたり大変縁起のいい数となります。5つある龍の爪も最強龍の印。かつて中国の王朝では龍の爪を描く際に厳しく制限されたと言います。解説によりますと日光東照宮の鳴き龍が3つ爪なのは中国王朝への配慮という説もあるのだとか。
9月の参拝の際はひとつ目的がありました。それは本殿に関係があるんです。まずはご本殿の様子をご覧くださいね。
美しいー。全ての色彩がある聖天宮だからこそ、心惹かれるんだなと思います。
ご本殿の天井もまた釘を使わずらせん状に組み上げられています。
まさに芸術。
さて、3回目に確かめたかったこと。それは三清道祖様を囲む神々のこと。
個性的な神像だったので道教の本で調べてみたのですがわからなくて……。最初は何故このようにfuck you的な印を結んでいるのかしら?と思ったのがキッカケ(笑)。
今回はお参りの際に教えて頂きました。結局、聖天宮のHPをよく見ると書いてあったんですけど(笑)。
まず、左右に控えるのは四聖大元帥。東方青帝、南方火帝、北方黒帝、西方白帝。東西南北の地上の災いを封じ守る神々で南は赤、東は青い、西は白、北は黒を表しています。ご利益は国泰民安、護国保法、豊作大漁、護国豊穣。写真を見て気づいたのですが並びが変わってますね。
またその左右にも祭壇があり神様が祀られています。向かって右側、陽の方角には南斗星君。万物の生を司り、生する行先を決する神。ご利益は安産子授、良好受胎。
左の陰の方角には北斗星君。万物の「死」を司り、寿命を決める神。健康長寿、衰萎防止。
よく似ているんですけど、背景の麒麟の向きが陰陽で違うのですよ。三清道祖様には龍が描かれています。
2016年2月に初めてこちらに伺ったのがきっかけで道教に興味を持ち、書を読み、人に尋ね独学で勉強中。とても面白く、作品作りにも役にたっています。森羅万象、ありがたいことです。宗教文化オタクの幅が広がりました。最近は道教(タオ)の『老子』、さらに儒教の経書にも興味を持ち、『大学』『中庸』『論語』『孟子』の四書を読み始めました。学ぶことはまだまだ多いと痛感しました。
大晦日にやっと投函した年賀状には親鸞聖人の言葉「遇いがたくして今遇うことを得たり。 聞きがたくしてすでに聞くことを得たり」を添えさせて頂きました。今年はまさにそんな一年でした。出遇いはすべて楽しいとは限りません。悲しみや苦しみ、怒りの中にも必要な事が溢れていました。総じて嬉しく幸せな年だったと思います。
来年はもっと良い年、良い出遇い。
過去の記事もご参考になさってください。
2018年も幸運が光のように降り注ぎますように。では良いお年を。
聖天宮
埼玉県坂戸市塚越51-1
049-281-1161
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